職場でのゼロウェイスト実践術:無理なく始めるオフィスのごみ削減アイデア
ゼロウェイストという言葉を耳にする機会が増え、ご自宅での実践を試みている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、会社という場所では、自宅とは異なる環境やルールがあり、「なかなか実践に踏み出せない」「周りの目が気になる」と感じる方も少なくないでしょう。
仕事場で「もったいない」という気持ちを大切にしながら、どのようにゼロウェイストに取り組んでいけば良いのか。この記事では、50代の会社員の方でも無理なく始められる、具体的なオフィスのごみ削減アイデアをご紹介します。完璧を目指すのではなく、まずは「できることから、少しずつ」始めてみませんか。
職場でのゼロウェイスト実践アイデア
会社でのゼロウェイストは、個人の意識と小さな行動の積み重ねから始まります。ここでは、今日から実践できる具体的なアイデアをいくつかご紹介いたします。
1. マイボトル・マイカップの活用
外出先での飲み物、特にプラスチック製のペットボトルや紙コップは、ごみの発生源の一つです。
- 具体的な行動
- 自宅からお茶やコーヒーをマイボトルに入れて持参する。
- 会社の給湯室や休憩スペースにある給水機、コーヒーメーカーを利用する際に、マイカップを使う。
- 休憩時間に利用するコンビニエンスストアやカフェで、マイボトルやマイカップを持参し、割引サービスがあれば利用してみる。
- 利点
- 使い捨て容器のごみを減らすことができます。
- 飲み物代の節約にもつながります。
- 無理なく続けるコツ
- お気に入りのデザインのボトルやカップを選ぶと、持ち歩くのが楽しくなります。
- カバンに常備する、会社に着いたらまずデスクに置く、といった習慣にすると忘れにくくなります。
2. マイ箸・マイカトラリーの持参
お昼のお弁当や、社外でのランチの際に、割り箸やプラスチック製のスプーン・フォークを使う機会は多いものです。
- 具体的な行動
- お弁当を持参する際に、自宅の箸やスプーンを持っていく。
- 外食時、使い捨てカトラリーを「結構です」と断り、持参したものを使う。
- 会社のデスクの引き出しに、洗いやすいステンレス製の箸やフォークを常備しておく。
- 利点
- 使い捨ての資源の消費を減らし、ごみになるプラスチックを削減できます。
- 無理なく続けるコツ
- セットになったカトラリーケースを利用すると、持ち運びや管理が簡単です。
- 自宅で洗うのが面倒な場合は、職場に予備を置いておき、週に一度まとめて持ち帰って洗うなど工夫してみましょう。
3. 紙の消費を減らす工夫
オフィスで最も多く使われる資源の一つが紙ではないでしょうか。印刷物や資料の見直しで、ごみを減らすことができます。
- 具体的な行動
- 印刷する前に、本当に必要なものか、データで代用できないかを考える。
- やむを得ず印刷する場合は、両面印刷を心がけ、複数ページを1枚にまとめる集約印刷を活用する。
- 読み終わった資料や、片面だけ使用した紙は、裏紙としてメモなどに再利用する。
- 会議資料は電子データで共有し、プロジェクターやモニターで表示することを検討する。
- 利点
- 紙資源の節約につながります。
- 印刷コストの削減にも貢献できます。
- 無理なく続けるコツ
- いきなり全ての印刷をやめるのは難しいかもしれません。「まず週に一枚だけ裏紙を使う」「会議資料は可能な限りデータで」など、部署内で小さな目標を設定するのも良い方法です。
4. 食品ロスを減らす意識
ランチや間食などで発生する食品ロスも、意識を変えることで減らせる可能性があります。
- 具体的な行動
- 自宅からお弁当を持参し、食べきれる量だけにする。
- コンビニエンスストアなどで昼食を購入する際は、食べきれる量と内容をよく考えて選ぶ。
- 職場の共有スペースに置かれているお菓子や差し入れなどは、期限を意識して早めに消費するよう心がける。
- 利点
- 食品廃棄の削減に直結します。
- 無駄な出費を抑えることにもつながります。
- 無理なく続けるコツ
- お昼ご飯の計画を立てる習慣をつけると、自然と食品ロスが減らせます。
職場でゼロウェイストを続けるためのポイント
ゼロウェイストは継続することが大切です。無理なく続けるためのポイントをいくつかご紹介します。
1. 完璧を目指さない
「全てを完璧にこなさなければ」と気負いすぎると、かえって疲れてしまい、挫折の原因になります。まずは「マイボトルから始めてみる」「裏紙を活用してみる」など、ご自身ができそうだと感じた一つのことから始めてみましょう。小さな一歩でも、継続することで着実に環境への貢献につながります。
2. 周囲に無理強いしない
ゼロウェイストの取り組みは、あくまで個人の意識と行動から始まるものです。ご自身が実践する姿を見て、もし周囲の同僚が興味を持ったら、その時にご自身の経験を共有する程度で十分です。無理に他人に押し付けるのではなく、まずはご自身が楽しく実践することを心がけましょう。
3. 会社の取り組みに目を向ける
会社によっては、すでに環境配慮に関する様々な取り組みを行っている場合があります。例えば、ごみの分別を細かく行っていたり、ペーパーレス化を推進していたり、といった活動です。そうした会社の取り組みがあれば、積極的に参加してみることも、ゼロウェイストの一環となります。
まとめ
会社でのゼロウェイストは、自宅での実践とは異なる難しさがあるかもしれません。しかし、「もったいない」という古くからの日本の精神を大切にし、マイボトルを持参する、紙の使用を控えるといった、日々の業務の中のちょっとした意識の変化で、多くのごみを減らすことが可能です。
完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ。ご自身のペースで、無理なく楽しく取り組むことが、ゼロウェイストを長く続けるための鍵となります。今日からぜひ、職場でできるゼロウェイストに挑戦してみてはいかがでしょうか。