日々の買い物を見直すゼロウェイスト:プラスチックを減らす無理のない工夫
ゼロウェイストを始めようと決意したものの、いざスーパーや商店街に行くと、商品のほとんどがプラスチックに包まれていて、どこから手をつければ良いのか途方に暮れる方もいらっしゃるかもしれません。特に、昔ながらの「もったいない」という精神を大切にしてきた方ほど、現代の買い物の状況に戸惑いを感じることもあるでしょう。
「昔はこんなにプラスチックはなかったのに、どうしてこんなに増えてしまったのだろう」と感じる方もいるかもしれません。この疑問は、ゼロウェイストを実践する上で多くの方が感じる共通の課題です。
今回は、日々の買い物で増え続けるプラスチックごみを、無理なく、そして少しずつ減らしていくための具体的な方法をご紹介します。完璧を目指すのではなく、「これならできそうだ」と感じることから始めてみましょう。
1. マイバッグ以上の準備をしてみる
レジ袋が有料になり、マイバッグの習慣は広く浸透しました。しかし、購入する商品一つ一つをよく見てみると、さらに多くのプラスチックが使われていることに気づかされます。例えば、野菜やパンが個別にビニール袋に入っていたり、お肉やお魚が発泡スチロールのトレイとラップで覆われていたりします。
- 布製の袋やメッシュバッグの活用: 野菜や果物をバラで購入する際に、そのままカゴに入れる代わりに、小さな布製の袋やメッシュバッグを持参してみましょう。これであれば、商品を傷つける心配も少なく、家での整理もしやすくなります。
- 昔ながらの風呂敷の再評価: 日本には昔から、物を包むための風呂敷という優れた文化があります。風呂敷は形を選ばずに様々なものを包むことができ、使用しない時はコンパクトにたためます。買い物の際に数枚持参することで、予期せぬ量の商品にも対応できるでしょう。
- 使い古しの衣類を再利用: 自宅にある着古したTシャツやタオルなどを、野菜やパンを入れる一時的な袋として活用することもできます。わざわざ新しいものを購入する必要はありません。
2. 詰め替え商品を賢く選ぶ
洗剤やシャンプー、ボディソープなど、日用品には詰め替え用が用意されているものが多くあります。
- 詰め替え用を選ぶ習慣: 新しい本体を購入するのではなく、積極的に詰め替え用を選びましょう。本体容器を繰り返し使うことで、プラスチックごみの量を減らすことができます。
- 量り売りサービスの利用検討: 最近では、洗剤や食品などを量り売りしているお店も増えてきました。ご自身の容器を持参し、必要な分だけ購入することで、パッケージごみをなくすことができます。お住まいの地域にそのようなお店があるか、インターネット検索などで調べてみるのも良いかもしれません。もし見つからなくても、既存の詰め替え用から始めるだけで、大きな一歩となります。
3. 新鮮な食材は過剰包装を避けて購入する
スーパーでの買い物では、新鮮な野菜や果物がプラスチックトレイやラップに包まれていることが少なくありません。
- バラ売りの活用: バラで販売されている野菜や果物を積極的に選びましょう。これにより、個包装のプラスチックを避けることができます。
- 容器持参の相談: お肉やお魚を購入する際、お店によってはご自身が持参した容器に入れてくれる場合があります。まずは店員さんに「容器を持参しても良いですか」と尋ねてみましょう。全てのお店で対応しているわけではありませんが、一歩踏み出すことが大切です。昔の八百屋さんや魚屋さんでは、こういったやり取りが当たり前でした。
4. 包装の少ない製品を選ぶ視点を持つ
普段使っている日用品の中には、そもそも包装が少ない、あるいは包装が不要な製品も存在します。
- 固形製品への切り替え: 例えば、液体洗剤の代わりに固形石鹸、液体シャンプーの代わりに固形シャンプーバーなどがあります。これらはプラスチック容器が不要で、紙製の箱に入っていることが多いです。使い慣れたものからの切り替えに抵抗があるかもしれませんが、試しに一つ使ってみることから始めてみても良いでしょう。
- 自然素材製品を選ぶ: 竹製の歯ブラシや木製のブラシなど、プラスチック以外の自然素材で作られた製品を選ぶことも、プラスチック削減に繋がります。
5. 無理なく継続するためのポイント
ゼロウェイストは、完璧を目指すことが目的ではありません。ご自身のペースで、できることを少しずつ続けていくことが何よりも大切です。
- 一つずつ始める: 全ての項目を一度に実践しようとすると、かえって負担になり挫折の原因となります。まずは「マイバッグに加えて、野菜用の小さな袋を一つ持っていく」など、簡単なことから一つずつ始めてみましょう。
- 自分に合った方法を見つける: 量り売りのお店が近くにない、容器持参を断られてしまった、といったこともあるかもしれません。そのような時は、別の方法を試したり、できる範囲で工夫したりすることが大切です。
- 記録してみる: どのくらいのプラスチックを減らせたか、日記やメモに簡単に記録してみるのも良いでしょう。小さな変化に気づくことで、モチベーションの維持に繋がります。
- 「もったいない」の心を大切に: 昔ながらの「物を大切にする」「無駄をなくす」という精神は、現代のゼロウェイストの考え方と深く繋がっています。ご自身の経験や知恵を活かしながら、買い物の工夫を楽しんでみてください。
まとめ
日々の買い物で増えるプラスチックごみを減らすことは、一朝一夕にはいかないかもしれません。しかし、今回ご紹介したような小さな工夫を一つずつ取り入れることで、確実にプラスチックの量を減らすことができます。
完璧を目指す必要はありません。ご自身のペースで、できることから始めてみましょう。その小さな一歩が、環境への大きな貢献へと繋がっていくはずです。諦めずに、一緒にゼロウェイストの道を歩んでいきましょう。